ご訪問ありがとうございます。
はやいもので、今年もあともう少しですね。
クリスマス料理はおでんで十分と思っている、こんにゃろうです。
さて、今回は、英語について書いていきます。
先日、ある受験生とお話していたら、このようなことで嘆いていました。
入試本番の心理英語の試験で時間が足りず、最後まで解けませんでした。
これ!すごくわかります…
どれだけ英語力があったとしても、制限時間内に解答できなければ、点数はとれません。
スピードって超大事ですよね!!
「いやぁ、そんなことはわかってる。」という声が聞こえてきそうですが、
心理系大学院の心理英語の入試問題では長文が出されるところがほとんどですから、
速読ができない!!
時間が足りない!!
という悩みは多いのではないでしょうか?
ということで今回は英語速読力について書いていきます。
心理英語出題形式
心理系大学院の入試でよく出される心理英語の出題は、ほとんどが全訳、または要約です。
<タイプ1> 全訳
以下の英文を読んで全文を日本語に訳しなさい。
<タイプ2> 要約
①以下の英文を読んで400字以内に要約しなさい。
②英文の内容についてのあなたの考えを述べなさい。
②は、要約タイプの発展形。考えを述べるものではありますが、本文に書かれている内容をふまえて考えを述べる必要があり、要約力は必須です。
※他にも、英作文を求めるタイプや、文中の専門用語についての知識を問うようなタイプもありますが、少数派なのでここではとりあげません。
全訳タイプの対処法
全訳の場合は、とにかく訳す!訳す!
文頭からいきなり全速力で取り組む!でよい。
注意点としては、見直しをする時間はないと肝に銘じること。
最初からひとつひとつを、正確に確実に訳していきましょう。
必要なのは、文法力(構文をとる力)と語彙力!
日頃からの勉強で、文法力と語彙力に力をいれて、すばやく、精度の高い和訳ができるよう訓練をしましょう。
要約タイプの対処法
全訳タイプは、ひとつでも知らない単語があると、そこだけ穴が開いたようになってしまいますが、
一方で、要約タイプは、多少知らない語彙があったとしても大意さえわかればよいというメリットがあります。
しかし、文章全体からポイントをつかんでいくという読解力、またそれを、的確な言葉で、簡潔にまとめるという統合力や国語力も必要です。
つまり速読力が試されるのは、全訳よりも、むしろこの要約タイプです。頭を使って、いかにはやく、大意をつかめるかが重要です。
今回はこの要約タイプをメインにとりあげ、どうやったら、すばやく解答できるか??を考えていきたいと思います。
要約力×速読力をつけるコツ
ポイント1:読み始める前に当たりをつける!
これから読もうとしている英文が、何について書いてあるのかをわかって読むのと、わからずに読んでいくのでは、理解力は全然違ってきます。
「木を見て森を見ず」ということわざがあるように、やみくもに読んでいくのではなく、まずは森全体を見渡しておこうということです。
そのためには、いろいろなヒントを使います。
タイトル
タイトルを見よう!タイトルから本文のテーマがとらえられる。
例)
Anger and Anxiety 怒りと不安
The Effects of Psychotherapy 心理療法の効果
表、グラフ、図
表やグラフや図があればそれをまず先に見よう。
心理学基礎知識があると、意外とすぐに、それらを見るだけで本文の内容がわかってしまう場合もある。
例)
パブロフの犬の画像があれば、「あ!これはレスポンデント条件付けについてかかれているぞ。」とあたりをつけられますよね。
グラフなんかもそうですね、横軸と縦軸が何を言い表しているのか、どんな関係になっているのかを見れば、どんなことが本文にかいてあるの推測ができます。
「注」にある単語の日本語訳
英文の最後に、難しい単語の日本語訳が参照できるようになっていることがあります。
例えば、そこに、hippocampus (海馬)とかfrontal lobe(前頭葉)などの脳の部位の名前が沢山かいてあれば、「あ、脳の話だ!」とあたりをつけられますよね。
また、最初に「注」をみておくことは、別の意味でも重要です。最初に見ておくと文中に出てきた時にすぐ「あ、注にあった言葉だ!」といち早く気づくことができて、日本語訳を確かめられますよね。時間短縮に役立ちます。
出典にヒントが隠されている場合がある
大学院の入試に出される英文はほとんどが、どこかの論文や書籍から引用されています。ですので、英文の最後に出典(どの論文から引用されているのか)が書かれていることが多いです。
小さい文字なので見逃しがちですが、そこにテーマのヒントとなるものが書いてある場合があります。
例)出典
Konnyarou,N.2016 “CBT for autism” . Perfect Psychology 18,1.pp.123-125
この場合はCBT for autism と書かれているので、「自閉症のための認知行動療法」についてだということがわかりますね。
ポイント2:段落の最初は必ず読む
英語は言いたいことが前にくる言語であるということを覚えておきましょう。
例えば
行った?行かなかった?最後まで聞かなければわからない。
【英語】I didn’t go to buy Oden at the…..
主旨の部分「行かなかった」が英語は最初に来る。
このように、英語は言いたいことを先にズバリというため、段落の最初に、言いたいことが書いてある場合が多いということです(もちろん例外もありますが)。
3段落あるなら、各段落の最初の文3つは必ず読みましょう。その3つだけで、内容がつかめるかもしれません。
ポイント3:メリハリをつけて戦略的に読む。
すべての英文を細部まで読む必要はないということです。
●じっくりよむべきところはじっくり読む
といった具合に取捨選択をしていきながら戦略的に読んでいきましょう。
速読は、いたずらに速く読む力なのではなく、どこをじっくり読むべきかを見極める力とも言うことができます。
じゃあ、どうやったらメリハリをつけることができるの??
と疑問がでてきた方は、次です。
ポイント4:ディスコースマーカーを目印に流れをつかむ
ディスコースマーカーとは、文と文の論理的関係を示す言葉のことです。
例えば、 but
この場合、後半の「おでんは売り切れでした。」のほうが、文章全体からすると重要ですよね?
このように、but があったら、その後を重点的に読むほうが大意をとらえる上で有効です。
もうひとつ for example
この場合、for example につづく後半の文は、具体例なので読まなくてもいいですよね。すっとばしても構わない部分です。
このように、どこを重点的に読むべきか、読み飛ばすのかをディスコースマーカーは教えてくれるのです。
他にも以下のようなディスコースマーカーが役立ちます。
B rather than A, / not only A but B, / On the other hand,
●逆説(逆説のあとに筆者の言いたいこと)
but / however / nevertheless / In spite of this
●言いかえ(つまり・・・)
in brief / in short / in other words / : (コロン) / That is to say,
●順列・並列(第一に・第二に・第三に)
first of all / first, second, third / finally
●例示(例えば)
for example/ such as / for instance / namely
ポイント5:最後に結論が書かれている場合があるので見逃さないこと
先ほど、英語は、言いたいことを先にズバリと言う言語だと書きましたが、文の最後にも、言いたいことをまとめて述べる傾向があります。
よく使われるディスコースマーカーとしては
●結論(よって、結果として…)
as a result / therefore / thus / in conclusion
このような言葉がでてきたら、必ず、その後には筆者の一番言いたいことが来ると意識して、しっかり読みましょう。
ポイント6:大事なポイントだと思ったら、必ずメモをする、or アンダーラインをつけておく
たとえば 段落が3つあったとします。わざわざ段落を分けているわけですから、筆者の主張は、大きくわけて3つあるということです。
1段落に1ついいたいことがあるのです。
各段落ごとに、ここがポイントだぞ!というところを見つけたら、余白にメモしておく、またはアンダーラインを引きましょう!
あとで、要約の解答を作る際にすごく役に立ちます。
要するに、筆者の主張のポイントを見える化しておくということです。
ポイント7:メモやアンダーラインの部分をつなげて要約する。
そして、最終的には、その見える化したメモや、アンダーラインをひいたところをつなげていきながら、まとめて解答していくということになります。
ポイント8:実験研究などの英文について
実験研究に関する英文の場合、研究には決まった形式がありますので、それに当てはめて解答していきましょう。
目的、方法、結果、考察 この4つのポイントを意識してください。この4つを解答に織り込みましょう。
方法:誰を対象に、どんな手続きを使って実施したのか
結果:どのような結果になったのか
考察:その結果からどういうことが言えるのか
実験結果はグラフで表されていることが多いですので、様々な論文を通して、グラフに見慣れておくことも大事です。
※英語の論文が検索できるサイトはこちら(興味のあるキーワードで検索して英語論文をみつけてみてください)
Google Scholar⇒ https://scholar.google.co.jp/
こんな感じ(まとめてみた)
ここまでのものをここでいったん、まとめてみました。
実際の問題は、これにすべて当てはまるわけではありませんが、一応の目安として留めておいてください。
過去問で練習しておくことは必須
今でしょ!で有名な林修先生が、言われていましたが、試験において、「時間が足りなかった。」というのは言い訳であると。
あらかじめ、試験時間はわかっているはず。
時間が足りなかったのではなく、時間内で解けるようにする訓練が足りなかったのだ。
本当にその通りですよね。
和訳の勉強や単語の勉強する人は多いですが、必ず、時間を測って、過去問を解く勉強をしてください。
そして、解答の量と時間の感覚を体に染み込ませておきましょう。
あとで後悔しないように、時間配分の方針を立ててから本番に挑むことは必須です。
もう既に過去問をやってしまったという方は、志望校と似たような出題範囲や出題形式を例年出している大学院の過去問もみつけて、どんどん解いていきましょう。
注意点
そもそも英語の基礎力が足りなくて、スピードが出ないという方
速読ができないという人の中には、そもそも構文をとる文法力が不足している、語彙力が不足している人もいます。そういう方は最初から速読をやってはいけませんので注意してください。
そういう方は、
まずは、丁寧に1文1文を、しっかり読めるようにしましょう。基礎力を付けるだけに今は集中してください。
ある程度読めるようになった上で、時間を意識しましょう。
満点を取る必要はない!
最後に、完璧主義の人が陥りやすいと思いますが、
すべてをパーフェクトに答えなくては受からない、と思っていませんか?
大学院入試では6割―7割できればよいとも言われています。
また、英語の試験は足切りで使われる場合も多いです。
本番で、完璧にこだわって焦ってしまわないように気をつけてください。少々わからないことがあっても、解けるところから手をつけていけばよいのです。今まで勉強してきたことを信じて、大きな気持ちで本番に挑んでください。
まとめ
- 速読力とは、どこをじっくり読むべきかを素早く見極める力である。
- そのためには、タイトルや図表などからテーマに当たりをつけてから英文に入ろう。
- 段落の最初の文、英文の最後は必ず読もう。
- ディスコースマーカーを目印にメリハリをつけて戦略的に読んでいこう。
- 大事なポイントはメモやアンダーラインで見える化し、それらをつなげて要約する。
- 時間配分はあらかじめ立てた上で本番に挑もう。
- 英語の基礎力がまだ足りていない人は、速読力の強化は後回しにすること
おすすめ参考書
★心理系大学院受験対策、心理英語の勉強の定番となる参考書⇊⇊
★上記のヒルガードの心理学の邦訳版。値段は英語版と比べると高いですが、買って損はない書物。巻末の専門用語の説明も役に立つ。入学後も心理学を学ぶ上での辞書代わりにもなります。
★留学を希望する方むけのものですが、大学院受験にも使える。和訳も載っているので便利です。⇊⇊
他、英語対策やおすすめ参考書はこちらの記事にも載せてあります。ぜひ参考にしてください。
⇒最強の英語対策!合格するために必須の4つの力|臨床心理士指定大学院入試対策
⇒英語の頻出領域はカウンセリング理論|おさえておくべき3つのポイント|臨床心理士指定大学院対策
ここまでお読みくださりありがとうございます。次回も、役立つ情報を届けていきたいと思います。
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