ご訪問ありがとうございます。こんにゃろうです。
私が臨床心理士になろうと思い、本格的に勉強を始めたのは1年半くらい前です。最初は仕事をしながら始めたので、本当に時間がありませんでした。休みの日にまとめて集中して勉強し始め、ようやく軌道に乗り始めたかと思うと、仕事でゴタゴタがあり、勉強が中断してしまったり、仕事と勉強の両立の難しさを痛感しました。
そんな中で、いかに効率的に勉強できるか?は常に自分の中で問い続けるテーマでもありました。
今日は、ささやかではありますが、同じように、忙しくて時間がない!でも勉強がしたい!という方に、自分のやり方が少しでもお役に立てたらと思い、自分がやってきた勉強法を紹介します。
基礎知識は決して侮ってはいけない
さて、ちょっと前置きが長くなりますが、勉強法を紹介する前にこれだけはおさえておきたい。
いきなりですが、音楽大学の受験を考えるとしたら、楽譜が読めない人は合格するでしょうか?
これと同じように、心理系大学院の受験でも、最低限知っておく基礎知識っていうのがあります。
心理学の基礎知識っていうのはどんなものでしょう?例えば、「レスポデント条件づけ」とか、「行動療法」とか「自己中心性」「WISC」「投影法」などなど、臨床心理士になりたいという人が知ってなきゃまずいっていうものですね。
何故こんなことを書いたかというと、 大学院受験でよく言われるのが、大学院入試は、個々の大学院ごとに入試傾向が違うため、出るものに焦点をあて、効率的に勉強すべし!ということです。私も筆記試験!?どんな問題がでるの?をまとめてみた|臨床心理士指定大学院受験の記事でも、そのように書いています。
もちろんこれは本当に大事なことです。しかし、時々これを誤解してしまう人がいます。基礎になるものを飛び越えて、やたらと専門書に手を出してしまう。これは本当にナンセンス。 また、大学院入試では問われるのは、応用ではなく、基礎。基礎さえしっかりやっておけば合格します。
こういった基礎知識が土台にあってこそ、その上に、それぞれの大学院の傾向というのが乗っかっているのです。なので、基礎力をつけた上で(基礎力をつけながら)志望校に焦点化した対策をたてるのが一番効率的だと考えます。
イメージ図を作ってみました。 じゃあ、基礎力をつけるにはどうしたらよいか?
概論書を読破する!!に限ります。おすすめ概論書はこの記事の最後に載せるので参考にしてください。
しかーし! この概論書を読む作業はかなりの労力を要します。量も多く、専門用語もあるため眠くなってきてしまいます。 😥
概論書の中身 (『心理学 [第4版]』鹿取廣人/杉本敏夫/鳥居修昇 東京大学出版会 より抜粋)
さて、前置きが長くなりましたが、こういった概論書を効率的に頭にインプットするための効率的勉強法をここから書きます。それはマインドマップを利用したものです。
この方法は、効率的に勉強できるだけでなく、勉強してて楽しい!という気持ちも沸かせてくれるような勉強法なのです。
マインドマップって何?
本を読んでいて、だんだんと眠くなってきたことはありませんか?もちろんありますよね。人間の脳って、文字からだけの刺激ではどうしても単調化し、なかなか吸収できないと思うのです。そこでマインドマップ。
マインドマップは、「頭の中の地図」と言われるものです。こういうものです。↓↓
(『新版 ザ・マインドマップ』トニー・ブサン著 ダイアモンド社 より抜粋)
初めてみる方は、なんじゃこりゃ?!ですよね。 これはマインドマップ開発者のトニー・ブサンが書いたものです。マインドマップは、頭の中を映像化したもの、と私はとらえています。
トニー・ブサンは…..
「文章やリスト式で書くノートは、なぜ頭に入らないんだろう?」 と悩み、天才たちのノートを研究するうちにマインドマップを開発しました。
画像でみてわかるように、ひとつの中心のテーマから放射状に枝をひろげて絵を描くようにノートを作るやり方です。
さらに、マインドマップは、勉強だけでなく、次々とアイディアを生み出す創造的な思考ツールとしても用いられているのです。あの有名なビルゲイツも活用しているそうです。 こんな感じのものもあります。
(『新版 ザ・マインドマップ』トニー・ブサン著 ダイアモンド社 より抜粋) (左:ロレイン・ギルのマインドマップ 右:世界最大のマインドマップ)
視覚を利用することの偉大さ
文字で書いてある内容に対して、視覚を使って覚える!という発想に、このマインドマップの一番の良さがあります。
言葉、文字から記憶に入れるよりも
絵を見て覚えるように!
映像を見て覚えるように!
視覚に訴えて覚える!
ことによって、数倍、いや何百倍も効率化し頭にインプットすることができます。
そもそも、人間は、複雑なものほど覚えにくいのです。なので、記憶したいもの、学習したいものをいかにシンプル化するかが効率化のカギとなります。 膨大な量の学習内容をシンプル化させるには、ずばり!視覚を使う!のです。
色やイラストが記憶力を活性化する
また、マインドマップは、色とイラストが豊富に使われます。芸術!と呼べるようなマインドマップも沢山あるほどです。
(芸術的なマインドマップ 左:クラウディス・ボーラーー作 右:ベンジャミン・ザンダー作『新版 ザ・マインドマップ』トニー・ブサン著 ダイアモンド社 より抜粋)
色やイラストは本当に人間の気持ちを豊かにさせ、楽しくさせます。
トニー・ブサンは、これを「視覚的リズム感」という言葉を使っています。
脳は、イメージと色によく反応し、視覚的リズム感を作ることにより、思考力や記憶力といった脳の力を引き出すことができる。 (『新版 ザ・マインドマップ』トニー・ブサン著 ダイアモンド社 より抜粋)
色やイラストを使うことによって、気持ちも楽しくなり、生き生きとしてきます。そうすることで脳の潜在能力も活性化されて、良い頭の循環が起こるのです。
実際のノート
実際の私のノートを載せてみます。マインドマップの本を読んで、見よう見まねで作ったものです。(正しいマインドマップの描き方ではない
かもしれませんのでご了承下さい)
描き方はこんな感じでやりました。
➡ 1、参考書を読みながら、まずはマインドマップのモノクロの輪郭を作って全体像をつかむ。
➡ 2、もう一度復習しながら、参考書を読む。その際に、色やイラストを加えながら記憶に刻み付ける
➡ 3、他の参考書や概論書を読んだ時に、付け加えたい内容をどんどん加えていく。
➡ 4、更に、復習として、その上からイラストやマークなどを書き加えるなどして、創意工夫をこらしていく。
マインドマップ勉強法のメリット
この方法は、本当に素晴らしいと、思っています。というのは、このマインドマップを作るという作業そのものが、楽しく、覚えようとしなくても自然に頭に入ってくることができるのです。効果のポイントをまとめてみました。
ポイント1 全体像が一目でわかる
勉強を復習するときに、一枚のマインドマップを見るだけで、参考書の内容の全体像が、一瞬で蘇ってきます。また、試験本番時には、この頭の中の地図を思い浮かべ、地図をたどりながら、記憶を引き出すことができます。
ポイント2 参考書一冊がたったのノート数枚にまとめられる。
私は、参考書の1章をノート1枚(マインドマップ1枚)に落とすようにしました。そうすると、参考書が6章で構成されていたとしたら、ノート6枚におさまるというわけです。膨大な量の内容が、たったの6枚の地図に圧縮されて記憶できるともいえます。
ポイント3 作業そのものが頭の中で学習内容が繰り返され、長期記憶化できる。
マインドマップを作る際に、本を読みながら、ひとつの中心のテーマから枝が分かれていくように、自分で描いていくわけですが、その時に、何本の枝にわけて、どんなテーマの枝にしようか?と自分が考えるようになります。(例えば「気分障害」について勉強したとしたら、「原因」「症状」「援助法」という3つの枝に分けることができます。)
この時、自分で頭で整理しながら、参考書を読むことになり、マインドマップを描くために深く内容を理解しようとします。この作業そのものが、自然と、頭の中で繰り返し繰り返し、学習内容をリピートさせ、長期記憶化につながります。
ポイント4 視覚的リズムが立体的な思考を促す
先程書いたように、マインドマップは、次々とアイディアを生み出す創造的な思考ツールとしても用いられています。実際に書いてみるとわかるように、ひとつのテーマがいかようにも枝葉を広げることができ、またその枝葉がさらに枝葉をひろげ。。。というように、拡散的にアイディアをひろげていけます。
心理学の勉強でも、ただ受身的に勉強して覚えるのではなく、知識を自らに照らし合わせて考え、勉強したものを別の知識と積極的につなげていくといった、自発的な作業も応用力を養う上で大事と思います。そういう意味としてもこのマインドマップは役立つと思います。
ポイント5 下手な絵ほど、記憶を深めてくれる
イラストを添えるのは、記憶を深める上でとてもよいと思います。絵を描くこと自体楽しいですし。 下手な絵は多いに結構。あー下手に描いてしまったーという感情が、その学習内容とつながって、記憶が深められますね。
おすすめ書籍
概論書
心理学第5版 [ 鹿取広人 ]
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