筆記試験!?どんな問題がでるの?をまとめてみた|臨床心理士指定大学院受験

アイ筆記試験

ご訪問ありがとうございます。こんにゃろうです。

受験すると決めたら、なるべく早く過去問をチェックしよう。

今回は、心理系大学院の筆記試験についてです。

まず、確認しておきたいのが、心理系大学院の入試の3つの合否の判断基準です。

研究計画 + 筆記試験(専門科目と英語) + 口述試験

です。

筆記試験はこの中でも、最も重要だと考えられます。

何故なら、大学院は研究するところ。研究するにあたって、基本的な知識があるのか?英語力があるのか?論文を書く力があるのか?というところを、見られるからです。それを判断するのが筆記試験。口述試験でどれだけよい印象を与えられたとしても、基礎学力がないと判断されてしまったら……合格は難しいと思います。

ということで、今回は、筆記試験は、一体どんな問題が出るの??というところを、いくつかの過去問の例をあげながら、考えていきたいと思います。。これから受験対策を始めようとするあなたに、だいたいこんな感じなんだな、とつかんでもらえると嬉しいです。

筆記試験は「専門科目」と「英語」の2つです。両方について書くと量が膨大になってしまうため、「英語」は別の機会に書くとし、今回は「専門科目」のみを取り上げます。

(英語についてはこちら⇒最強の英語対策!合格するために必須の4つの力|臨床心理士指定大学院入試対策

専門科目

専門科目というのは「心理学」のことです。「心理学」は主に、「基礎心理学」と「臨床心理学」にわけられます。臨床心理士や公認心理師の資格を取るためには。大学院は、臨床心理学を専攻することになるので、【臨床心理学】に関する問題が中心に出されます。その他に【基礎心理学】の基本的知識に関する問題が出されます。大学院によってその傾向はそれぞれ違いますが、とりあえずは、オーソドックスな例を紹介しています。

心理学用語の用語説明 1試験で5題~10題 (1題につき200字程度)

 ➡ 例:次の用語の心理臨床上の意味を簡潔に説明しなさい(200字程度)。

学習障害  /  双極性障害 / 自己中心性  / 元型  / 計量尺度と計数尺度  / ADHDの親トレーニング  / HTP     (大正大学大学院2009年 )

 ➡ 例:下記の1~5までの用語について、簡潔に説明しなさい。

コンサルテーション / 固着 / WCST / アサーション・トレーニング  / 縦断的研究法    (立正大学大学院 2008年)

※専門的な知識を正確に書くことが求められる。「◎◎とは●●である。」という専門的な定義を書き、代表的な提唱者、実験内容など、を書いていく。また正確な日本語力も必要。(詳しくはこちら⇒用語説明問題でやってはいけない8つの事【絶対保存版】|臨床心理士指定大学院受験

論述問題 1試験で2題~3題 (1題につき400字~1000字)

 ➡ 例:子供に知能検査を実施する際の留意点について述べなさい(600字以内)。(放送大学大学院 2012年度)⇒この問題についての解説をこちらに載せています⇒知能検査を行う際の留意点とは?【放送大学大学院過去問】臨床心理士指定大学院入試対策

 ➡ 例:臨床心理学領域における査定(assesment)の意義と目的を、医学領域における診断(diagnosis)との相違点を明確にしたうえで論じなさい。(明治大学大学院 2011年度)

 ➡ 例:成人の自閉症スペクトラム障害に関して、生じている問題とその原因を考察し、臨床的対応法に関して述べなさい。 (白百合女子大学大学院 2013年度)

 ➡ 例:近年、臨床心理学が専門活動として発展するにしたがって、倫理の重要性が強調されるようになっている。臨床心理学において倫理が重要である理由について述べなさい。 (東京大学大学院 2011年)⇒この問題についての解説をこちらに載せています⇒今すぐ解いてみるべき!おすすめ東大の過去問【厳選5選】|臨床心理士指定大学院対策

 ➡ 例:心理尺度作成の方法と手順について、1000字以内で具体的に説明しなさい。(横浜国立大学大学院 2012年度)⇒この問題についての解説をこちらに載せています⇒心理尺度の作成手順|覚えておけば満点がとれる頻出問題|臨床心理士指定大学院対策

 ➡ 例:小学3年生の女児が学習不振を主訴に母親とともに来談した。学習不振の背景にどんな要因が考えられるのかについて、多角的に論じなさい。(学習院大学大学院 2013年)⇒この問題についての解説をこちらに載せています⇒学習不振児 / 勉強ができない子供の本当の理由【事例問題】|臨床心理士指定大学院入試対策 

 ➡ 例:心理療法で転移が大切であるとよく言われるが、どういう点で大切なのか多面的に考察しなさい(神戸大学大学院 2013年)⇒この問題の解説をこちらに載せています⇒【過去問分析】精神分析ー転移とは|臨床心理士指定大学院入試対策

※序論、本論、結論にわけ、専門的知識を正確に論理的に書いていく。文字数の指示がある場合や、ない場合、いろいろあります。文字数については、この記事の下のほうに補足しています。

※【参考】論述対策についての詳細はこちら⇒必見!これだけ知っておけばなんとか書ける【論述対策】|臨床心理士指定大学院受験

事例問題の論述対策についてはこちらです。⇒【論述対策】事例問題を斬る!何故事例問題は難しいのか?|臨床心理士指定大学院入試対策

事例問題が全く解けないときの対処法|臨床心理士指定大学院入試対策

穴埋め問題

 ➡ 例:(   )は、ピアジェの道徳的判断に関する研究を発展させ、道徳性の発達を3つの水準、6つの段階から成る独自の発達理論を唱えた。(目白大学大学院 2013年)

 ➡ 例:質問紙調査において、質問項目を作成する際には、先行する質問が後の質問に影響を与えてしまうという( )に注意しなければならない。(東京成徳大学大学院 2013年)

 ➡ 例:以下の文章を読み( )内に入る適切な単語を以下の単語から選択しなさい。

記憶には、顕在記憶と( 1 )というものがある。( 1 )とは、単語完成課題に代表される( 2 )効果を検出する課題によって測定される。( 2 )効果とは、先行刺激が後続のテストに促進効果を及ぼすことである。

a エピソード記憶 b マスキング c 潜在記憶 d 展望記憶 e リハーサル f プライミング (国際福祉大学大学院 2012年)

※穴埋め問題は、基礎さえ勉強し、過去問もやっていれば、さほど難しくない。用語説明や論述に力を注いでやりさえすれば、穴埋め問題は自然にできてくると思います。

時間配分

試験時間出題数は大学院によって、本当に様々です。時間配分を間違えると、できる問題もできないことになってしまうため、トータル試験時間はどのくらいなのか?その中で何題でるのか?は重要なのでチェック必須です!実際に家で時間を測って練習することがおすすめです。

例)

  • 論述問題3題(字数指定なし)+用語説明7題 =試験時間2時間     
  • 論述問題3題(字数指定600字以内)+用語説明10題=試験時間1時間半 
  • 論述問題2題(3題中2題選択で字数指定なし)+用語説明5題=試験時間1時間 

解答用紙の形式

解答用紙も様々なタイプがあります。過去問をチェックするときに、問題だけでなく、解答用紙がどのタイプか?もチェックしておきましょう。。

タイプ1 白紙タイプ

問題が書いてあって、その下は線もマス目も何もない白紙の状態。

タイプ2 罫線タイプ

罫線がだ~っとひいてある。

罫線

タイプ3 原稿用紙タイプ

マス目がある。

原稿用紙

字数指定

タイプ1 文字制限なし

「◎◎◎◎ついて述べなさい」だけで文字数について指示がない場合。

400字は最低でも書いたほうがよい(と思います)。文字数は、少ないより、多いほうがいいと思いますが、長すぎて、何を書いているのかポイントがわからないような文であれば、400字~600字あたりでポイントがまとまっている方がよい。

タイプ2 ●●字以内

「以内」は8割~10割

例えば、「600字以内」であれば、601字ならダメ。

タイプ3 ●●字程度

「程度」は、プラスマイナス1割

例えば、「600字程度」であれば、500字以上600字未満がよい。

200字、400字、600字、などと言ってもピン!とこないと思いますが、何度も練習するうちに字数の感覚がわかるようになります。何度も書いて書いて、練習しましょう

過去問チェックは早めにすべし!

以上、ほとんどの大学院で出題する共通の形態について、書いてきました。

しかし、大学院の試験は、個々の大学院で個性がそれぞれ違うので必ず過去問をチェックしてください。用語説明や論述といった「形」は同じでも、「内容や範囲」は大学院ごとに個性があります。(例えば、統計が出る出ない、事例問題が出る出ない 発達臨床に関する問題が出る出ないなど)

過去問なんて難しくて…..何を書いていいかわからないし、解けないよ~と泣きたくなってくるかもしれません。が、できなくてもよいのです。

過去問チェックの目的は解けることではなく、どんな問題が出るの?を掴むのがこと。出題しない分野をやみくもに勉強してても、無駄になってしまいます。ゴールはここなんだ!ということがしっかり見えた上で効率的に勉強にとりかかるためです。早めにチェックすることを強くおすすめします。

実は、こんなことを言っている私は、実際、過去問を見るのが怖かったです。見て、わからない問題だったら、落ち込むし、焦るし、もうダメかも~と思ってしまうからです。それでも、本番前の2ヶ月くらい前にはチェックして、取り組み始めました。やっているうちに、あれもしておかなきゃ、これもしておかなきゃ、足りない勉強がいっぱい出てきてしまい、「もっと早くから見ておけばよかった(泣)」と思いました。

まとめ

筆記試験の専門科目

  • 試験の内容は、【臨床心理学】が中心、プラス 【基礎心理学】の基礎知識
  • 形は、【用語説明】【論述問題】【穴埋め問題】
  • 【試験時間】【出題数】【字数指定】【解答用紙タイプ】も、重要。
  • 何度も練習し、時間感覚、字数感覚を養う。
  • 過去問は早めにチェックし、志望校の個性をとらえた上で効率的に勉強にとりくむ。

おすすめ書籍


まずは、一問一答から。スモールステップですすめていける。

論述対策に役立つ。頻出問題が30個にまとめられている。繰り返しやることでかなり力がつく。模範解答例がついている。

論述対策に私自身、重宝したもの。解説⇒解答例という順序。絵や図はほぼ載っていないが、書かれている解答例は的確で抜け目がない。

いかがでしたでしょうか?だいたいの試験問題はつかめたでしょうか?なにやら大変そうだと思うかもしれませんが、全く心理学のことを何もわからかった私でもやれたんです。また、ともに受験勉強をがんばってきた私の友人たちも、知識ゼロの状態から乗り越えていきました。これを読んでいるあなたも、きっとできるはず★

>>次のページは、今なにかと話題となっている公認心理師資格。臨床心理士の資格はどうなってしまうのか?などをわかりやすくかいてみました。↓↓

【公認心理師とは?】小学生でもわかる国家資格の内容

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