ご訪問ありがとうございます。最近、オセロにハマっている、こんにゃろうです。
オセロは途中まで負けてるなぁと思っても、最後に大逆転が可能なんです。最後まで粘り強く、考えて考えて、考え抜いて、大逆転出来た時は、本当にやった!という気持ちになります。
受験にも通じるものがあるかもしれません。
ということで、今日は【用語説明問題】について書きます。
臨床心理士指定大学院の筆記試験の形態は、【用語説明】と【論述問題】の2つが大きな柱となります。(筆記試験!?どんな問題が出るの?をまとめてみた|臨床心理士指定大学院受験に、具体例を載せています)
【用語説明問題】は、心理学専門用語について、200字~250字で何も見ないで書くことが求められます。(例:「情動調律」「HTP法」…….)
配点は、もちろん【論述問題】の方が配点が高いと思われますが、【用語説明】を侮ってはいけません。
というのは、論述問題は、【用語説明】を序論、本論、結論に上手にまとめればかける問題も多いのです。なので、この用語説明対策はしっかりとやりましょう。
絶対保存版として、用語説明でやってはいけないことをを挙げ、高得点を狙うためのポイントをまとめてみました。
用語説明の基本の型をマスターせよ
1、不可欠なのは定義。
「◎◎とは▲▲である。」という形のもの。
例えば、「文章完成テスト」というのが出たとしよう。「言語を使用するため、言語表現の苦手なクライエントには適用しにくい。」と書いたとしても、そもそも「文章完成テスト」って何?ということになってしまいます。「文章完成テストとは▲▲▲▲というものである。」というふうに書かなくてはいけない。
2、提唱者、有名な研究者
「レスポンデント条件づけ」についてなら「パブロフ」だし、
「行動主義」なら「ワトソン」、「情動調律」なら「スターン」、「HTP法」なら「バック」などなど……
3、用語に関連する代表的な研究、実験内容
「レスポンデント条件づけ」なら、犬の唾液分泌実験
「レディネス」なら、ゲゼルの「階段登りの実験」
「試行錯誤」なら、ソーンダイクの「猫の問題箱実験」などなど……
4、用語に関する理論や専門用語
「言語獲得装置」なら、チョムスキーの「生成文法理論」で明らかにされた……….
「自己中心語」なら、ピアジェのの発達理論における「前操作期」に特徴的な「自己中心性」の表れであり……..
「短期記憶」なら、アトキンソンとシフリンの「記憶の2貯蔵庫モデル」で想定される記憶貯蔵庫のひとつであり…..などなど。
5、利点や欠点
心理検査の名称が出た場合には、利点と欠点は書いたほうがいいと考えられます。というのは、心理検査一つ一つはそれぞれ特徴があって、心理士として、それぞれの検査の限界点を知っておくことは非常に重要だからです。
(例えば、「ビネー式知能検査」であれば、全般的な知的能力の発達度を測るためのものであり、「個人内の知的能力の差はとらえられない」「成人には適用できない」(ただし、田中ビネーⅤは成人にも適用可)などの限界点は、検査者として知っておくべきですよね。)
また、現在、否定されている理論は、特に欠点を書くべきです。どういうことが欠点であるから現在は否定されているのか、否定されている、ということを心理士としてちゃんと知っておかないといけない事柄があります。
(例えば、クレッチマーの気質類型に代表される「性格類型論」は、人の性格を固定的にとらえてしまうという欠点をもつために現在否定されている。)
いかがでしょうか?この中で1の定義は絶対不可欠
2,3,4,5、は用語によりけりではあるものの、あれば必ず書く。
この5つがあればほぼ、200字はクリア。用語を知ってさえいれば、意外と簡単だと思いませんか?
やってはいけない8つの事
自分の考えを書いてはいけない
「私は、◎◎と考える。」とか「◎◎と思う。」というのは求めらていない。
「△△という言葉をあなたは知っていますか?」と問われているので、知っていることを、淡々と書くというイメージです。
問われている用語とズレて、関連語の説明ばかりになってはいけない
すごくよく陥りやすいパターン。
○○のことについて聞かれていて、答えているつもりが、▲▲という関連語に話がうつってしまい、▲▲の説明になってしまう。
「北海道とは何ですか?」と聞かれているのに、「さっぽろ雪祭り」の話になってしまい、結局「さっぽろ雪祭り」の説明になってしまうパターン。
(例えば、「自己中心語」について書く場合、ピアジェの理論のみを書けばよいのに、ヴィゴツキーとの論争の話へと話が移ってしまう)
さらに、これは自分では気づかないことが多い。書いた後に冷静になって、他人の目でもう一度自分の答案を見直してみよう。
具体例はいらない
このブログ記事は、なるべく例を出して、「例えば・・・」と書いていますが、用語説明問題では、具体例は書かないほうがよいです。
具体例よりも、その用語の関連した専門用語が沢山あるはずなので、関連語を充実させ、専門的な文章にすること。書く事がなくなった場合は、関連語をひねり出す!
日常語を使った読みやすい文章は書かない
「家族療法」
✖ 家族療法とは、家族の中にいる人が問題を起こしたとしたら、それは家族皆の問題なので、家族皆が変わるようにしていく心理療法です。
○ 家族療法とは、家族をシステムとみなし、個人の問題は、家族システムの歪みによるものだと考え、健全な家族システムへ変容させることをめざす心理療法である。
「です。ます。」は使わない
日常語を使わない、と同じですが、
✖ ~です。~ます。
○ ~である。
日本語の文法に手を抜いてはいけない
主語と述語が噛み合っていない、修飾語がどこにつながっていないかわからない、といった文章は書かない。大学院生は専門家の卵なので、日本語がきちんと書けることは重要。
これも、自分では気づかないことが多い。書いた後に冷静になって、他人の目でもう一度自分の答案を見直してみよう。
漢字の間違いはしない
これも、専門家の卵としての素質に関わる。
私は、間違ったり、記憶の曖昧な漢字は自分の机の前に貼って、出てくるたびにメモに追加して試験本番前に復習しました。要注意とした漢字は合計40個ほどにもなりました(驚)
例:連携 研鑽 均衡 演繹 専門(問じゃない)信憑性 末梢神経 臥褥期(←森田療法に出てくる言葉です)
被験者….心理学実験の対象者の場合
被検者….心理検査を受けるクライエントの場合
などなど……..答案用紙は鉛筆で書くため、パソコンやスマホに日頃慣れてしまっている人(ほとんどの人がそうですが。。)は要注意ですね。
汚い字は印象を悪くする
試験本番は、時間が足りなくて焦ってしまって、殴り書きのようになってしまいがちです。
かといって、綺麗に書こうとして時間がかかってしまっては本末転倒。
最低限、字は上手じゃなくても読める字で。
このように、やってはいけないことを見ると、用語説明の解答がどのようにしたら高得点になれるか?が見えてきますね。
つまり、知識を正確に、正しい日本語で専門家らしく書く
まずはやってみるからスタート
何も見ないで書く、てのは、最初とても抵抗があります。最初は無理せず、参考書などを見て書くからスタートしてみることをおすすめします。
↓↓↓
見て書いてみる
↓↓↓
見ないで書いてみる↓↓↓書けない
↓↓↓
もう一度見る
↓↓↓
書いてみる
↓↓↓
書けない
↓↓↓
もう一度見る
↓↓↓
繰り返す
ことによって必ず書けるようになります!
書けない。。。悔しさを味わうことの重要さ
最初は、全然書けなくてショックを受けます。
しかし、自分を知ることは重要です。
病院で、医者が患者を治す時、どこが悪いのか知らなければ治療はできません。
- 自分を知る
- 自分の力を知る
ことは、自分が成長する第一歩だと思います。
自分を知ることは、ある意味勇気がいります。情けない自分、ちっぽけな自分を認めることになるわけですから。
しかし、この悔しさは自分の宝になります。
あと○週間でできるようになろう!あと○ヶ月でこれを解けるようになろう!と深く心に刻んで決意ができるのです。
悔しさは、自分の勉強のモチベーションを大きく後押ししてくれる起爆材になってくれます。
自分だけのノートを作ろう
勉強する時間がない人はこれを読め!マインドマップ効率的勉強法のすすめ|臨床心理士指定大学院受験の記事に、マインドマップノートを作る勉強法をかきましたが、
それとは別に用語説明に特化したノートを作ることをおすすめします。
おすすめは 用語ひとつにつき1ページ。
後から、これも付け加えたい、あれも大事だったということが、出てきてしまうため、余裕の空白があったほうがいいです。
1ページでもかなりきつくなってしまった用語もあります。
書き加えていくと、かなりぐちゃぐちゃになって自分しかわからない状態になります。
また、このノートは、箇条書きとかではなく、本番の試験でどう書くか?を想定して作るのをおすすめします。文章の言い回しを考える訓練にもなりますし。本番直前にこのノートを復習することは、最強の武器となるでしょう。
おすすめ書籍
★100個の受験頻出用語について、ひとつひとつ、わかりやすく説明されていて初心者にぴったり。一つのキーワードごとに、お手本となる用語説明が200字でまとめられているのが役に立ちます。
★私が愛用した参考書。内容が多すぎず少なすぎず、わかりやすい。受験頻出用語も網羅されている。
★辞典といえばコレ!持っておくべき辞典のひとつ。
★超おすすめ。ちょっと調べるのに便利。重くないので持ち運びも負担にならないのが便利です。
まとめ
- 用語説明は約200字~250字で見ないで書く
- 定義は不可欠、その後、代表的研究者、実験、関連する専門用語、利点欠点、の流れで書く
- 知識を正確に、正しい日本語で専門家らしく書く
- 自分の意見は書かない、ポイントがずれない、具体例は書かない、漢字の間違いをしない、日常語を使わない、etc.
- 最初は参考書などを見て書く⇒見ないで書く⇒見て書く⇒見ないで書くを繰り返す
- できない。。という悔しさをバネに!
- 用語説明に特化したノートを作る
いかがだったでしょうか?
最初から完璧にやろうとせず、定義だけでも書けるようにする、とか、100字は書いてみる、など自分自身で、スモールステップで目標を決めてやっていくとよいかと思います。
用語説明の勉強をしていると、MPI、TAT、SST、PTSD………など、沢山のアルファベットの略語に出会います。多すぎて頭が混乱することも。そんな時のために、こんな記事を書きました。こちらも参考にしてください。
⇒頻出用語!アルファベットの略語を集めてみた (BDI,MPI,DAMなど) | 心理系大学院入試対策
さて、次はいよいよ論述対策です。配点が高いので本腰をいれて取り組まなければなりません。論述問題にどんなパターンがあるのか、またどう攻略すればいいのか解説していきます。
>>次の記事は↓↓↓
必見!これだけ知っておけばなんとか書ける【論述対策】|臨床心理士指定大学院受験